ホーロー看板(金鳥渦巻)

スカイツアーズ

ホーロー看板

〜記憶が染み込むノスタルジックな役者たち〜

(金鳥渦巻蚊取線香)

菱形!鶏の頭!…ときたら、もうこの看板を思い出さずにはいられないでしょう。私自身、このホーロー看板シリーズで、どのタイミングで出そうかずっと気になってました。

復元版:ホーロー看板・金鳥渦巻(大日本除虫菊)

歴史

大日本除虫菊より発売された「金鳥:渦巻型蚊取り線香」の宣伝目的として、1902年(明治35年)から、1985年(昭和60年)頃までの約80年の間、製作使用されたもの。

特徴

正方形を斜めに使った菱形の看板に、上方に鶏の頭のロゴマーク、一番面積の広い中央に「金鳥」と文字が書かれ、下方に渦巻線香が描かれている。鶏の首元には、創業者の「上山」の判がある。初期の頃は、金鳥の文字の下に「かとりせんこう」の文字が書かれ、後に線香から立ち昇る白い煙の絵が描かれるようになった。

追記

看板は、美空ひばりが宣伝した1967年(昭和42)の縦型長方形のものや、短冊型のものも存在する。また、渦巻線香の看板は多くの場合、後の1934年(昭和9年)に発売された液体噴霧式殺虫剤「キンチョール」の看板と共に貼られることが多かった。キンチョールの看板も菱形が主だが、縦型長方形や短冊型も存在する。(※ 下の画像参照。)

復元版:ホーロー看板・キンチョール(大日本除虫菊)

雑学

金鳥渦巻とキンチョールの組み合わせの看板は、全国各地に実に8000組ほど貼られ、多くの人の記憶に菱形のインパクトを残した。金鳥渦巻線香の前身は、棒状の世界初の蚊取線香「金鳥香」(1890年《明治23年》発売)であり、金鳥香のホーロー看板も存在していた。ただし、まだ菱形看板ではない。

ちなみに金鳥のロゴマークの鶏は、「鶏口となるも牛後となるなかれ」の故事成語に由来し、先端を行く高い品質への決意が込められている。大日本除虫菊(1919年《大正8年》創業)の創業者上山英一郎が、世界初の蚊取線香を作るきっかけとなったのは、アメリカの植物会社社長H・E・アモアから殺虫効果のある除虫菊の種苗を譲り受けたことだが、その社長を紹介したのは、應義塾大学の恩師、福澤諭吉であった。

感想

夏休みに祖父母の家で過ごした想い出。うちわに浴衣姿の女性や、花火の上がる夏の日の想い出。ワクワクしたり、ちょっぴり切なく感じたり、いろいろな想い出が込み上げてきますね。…日本の夏!金鳥の夏!

記憶が染み込むノスタルジックな役者たち〜

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