ホーロー看板
〜記憶が染み込むノスタルジックな役者たち〜
(塩・たばこ)
これは、レトロブームの立役者ホーロー看板を愛でる記事である。
子供時代の懐かしい景色の中に、飾られた琺瑯看板があるのを思い出す人も少なくないことでしょう。今でも田舎に残ることがありますが、よく通った商店や駄菓子屋さんに、何気に表示されていたのを思い出しますね。特に多かったのは、塩やたばこの看板だったかもしれません。(※ 下の画像参照。)


ホーロー看板・塩たばこ(日本専売公社)。写真は本物のホーロー看板の画像を元に、デジタル補整を行い、綺麗に復元した看板画像である。本物の看板で細部まで状態の良いものは、今ではなかなか見かけることができない。ホーロー看板は、経年劣化の問題だけでなく、看板荒らしに剥ぎ取られ、町の中から姿を消していく深刻な問題にも直面してきた。もし飾って懐かしさを楽しみたい場合は、個人的に画像をポスターにしたりして楽しもう。古い家屋や町中に残る看板をもし見かけたら、ぜひその看板は景色込みで大切にしてあげよう。(看板情報 Wikipedia 他)
概要
看板名称:塩・たばこ
メーカー:日本専売公社
製作使用:1945(昭和20)年〜40年程
宣伝商品:塩、たばこ
出演役者:ー
骨董価値:1,000〜3,000(市場相場)
歴史
ホーロー看板は、屋外用の看板として、明治、大正、昭和の中期まで、日本の街角を彩った広告媒体である。その歴史は1888年(明治21年)頃に始まり、多くの企業や商店が宣伝手段として採用した。後に新聞やTVなど、メディアの発達により徐々に姿を消していった。塩とたばこの看板は、戦後の1945年(昭和20年)以降製造され、1985年(昭和60年)頃まで使用されていた。
特徴
焼物に使用されるガラス質の上薬(琺瑯)に似た塗料を、金属でできた看板に焼き付けることにより、光沢があり、色褪せや錆びに強い耐久性の優れた看板に仕上げている。しかし、看板の中には一部、ある時期に塗料による処理を施しておらず、錆びて著しく劣化したものもある。塩とたばこの看板についてはそのようなことはなく、どれも比較的状態が良く保たれてきた。
看板標準サイズは、塩・高さ33cm×幅45cm×厚さ1mm。たばこ・高さ30.2cm×幅45.5cm×厚さ1mmである。
追記
ほとんどの看板では、宣伝銘柄は同じでも、体裁の異なる複数のバージョンが存在する。字体が異なるもの、形状が異なるもの、何かのキャラクター等とコラボしているなどである。それらの体裁から、製造された年代を特定することができる。また近年、昭和レトロブームの影響で、ホーロー看板はコレクターズアイテムとしての需要が高まり、希少なデザインのものや、状態の良いものは高値で取引されている。

雑学
当時看板は、広告代理店ではなく、その製品の営業マンが、看板業者に依頼して製作と設置をしていた。看板の設置に対する広告料は、現金ではなく現物支給が多かった。また看板は、単に店頭に取り扱い銘柄を示すためのものも少なくなかった。その場合、商品の製造元が取り扱い店に看板を支給した。※ 画像にある、塩とたばこの看板もそうである。(日本専売公社)
ちなみに日本専売公社は、戦後ダグラス・マッカーサーより、塩・たばこ・樟脳の製造販売は政府事業とすべし通達がなされ、それゆえ1949年(昭和24年)6月1日発足し、後に民営化され、1985年(昭和60年)4月1日に現在の日本たばこ産業株式会社(JT)となった。

感想
懐かしい看板って、ワクワクしていた頃の景色を思い出しますね。とは言ってもお菓子や玩具に夢中で、子供の頃にそんなに注視することはなかったですが。
AIが発達した今だからこそ
AIでは生成できない、修復もできない
味のあるホーロー看板を眺めていたい。
あなたのお気に入りの場所
思い出の場所には
ホーロー看板は残っていますか?
あなたの歴史が染み込んだ
わたしたちを子供の頃から
見守ってくれた
静かな役者にありがとうを。
ー
記憶が染み込むノスタルジックな役者たち〜